What a wonderful world

What a wonderful world

23日、午前11時頃、

仕事明けで家でゆっくりしていたら、妻から電話があった


「おしるしがあったから病院に来て」



「そうか、わかった」

落ち着いた風にそう言ったけど、胸は一気にドキドキしていた

はやる気持ちを抑え、事故だけはしないように車を走らせた



病院に到着すると、穏やかな表情で横たわる妻がいた





陣痛は既に10分間隔


和室の部屋でゆっくりと二人でその時を待った






12時半くらいだろうか


陣痛は5分間隔になり、羊水が流れていた


助産師さんが来て観察をすると、

「すぐに分娩室に行きます」と言った


展開はかなり早いようだ


胸が高鳴った…


だけど、態度だけは落ち着けていた





実は23日は出産予定日で、それに合わせてくれたのか河瀬さんが15時頃には到着する予定だったが、その前にもう産まれてしまいそうな勢いだった





分娩室は和室で、妊婦が落ち着けるように明かりはぐっと暗くしてあった



もう5センチくらい開いているとのこと


さっきまで静かに陣痛に耐えていた妻の様子が変わってきた




14時頃、さらに開いて7センチ


妻は声を出して必死に痛みを逃がしているようだ






14時半、それまで急展開だった様相がスローダウンしてきた




不思議なのだが、妻は陣痛が納まっている時の感覚を


「気持ちいい」と表現した


穏やかな気持ちになれてリラックスしているその表情は、まるで仏様のようだった


さらに鼻歌を歌っていた


迷いがなく、とても良い精神状態だった







15時前、急いで来てくれた河瀬さんが到着

さっそく撮影が開始





それからもリズムはとてもゆっくりだった


進んでいるのか心配になるくらいだったが、

助産師さんが「少しずつ前に進んでいるから大丈夫」と勇気づけてくれた


河瀬さんが、「痛い時は赤ちゃんも苦しい時だよ。『ふうー』と息を吹き込んであげる感じで痛みを逃がしてごらん」と妻に言ってくれた


それからは僕も、妻に陣痛がくると妻と呼吸を合わせて赤ちゃんに息を吹き込むつもりで息をはいた



陣痛が収まっている時は、自分もリラックスできた


正直、眠たくなるくらいだった



でも妻に陣痛がくる時には、なんとなくそれを感じることができ自然と身構えていた




そして、妻の呼吸に合わせることに全神経を集中させた





18時を過ぎたころ





空気が変わった







助産師さんが先生に電話をかけ


「お産です」



一言いって電話を切った





先生到着




最後の最後





助産師さんが、息を吐くように

「はあーーーーっ、はあーーーーーっ、はあーーーーーっ」

と何度も言った (ここで力を入れると出口が裂けてしまうらしい)






それを3回繰り返し










その瞬間が訪れた









命が産まれた…







感動?


今まで生きてきたどんな瞬間よりも感動的だった






元気な産声が聞こえてきた…それだけでよかった






性別なんてどうでも良かった










ただ、妻をとてつもなく愛おしく思えた











立ち会えてよかった?


当然! 世界一の出産シーンだ!






2930g  元気な男の子だった













1時間ほどそのまま、ゆっくりと横たわっていた


その後、部屋戻った







僕と妻の間に、一つの命が生きていた







とても穏やかで幸せな気持ち







これからこの子が、どんな人生を生きるか楽しみだと思った



きっとこれが親心なんだろう、自然と湧いてきた




大きくなって、人を愛して、子を産んで、育てていくのだろうか…







そんな時、自分もそんな目で見られていることに気付いた





僕の親は僕が産まれてからずっと、そんな気持ちで僕を見守ってきてくれたんだろう







今も…




そして、これからもそうやって見守ってくれるんだろう







あったかい気持ちになった







この世界が素晴らしく感じた




まさに  What a wonderful world


    I hear babies cry, I watch them grow

      They’ll learn much more than I’ll ever know

         And I think to myself, what a wonderful world


息子へ


この世界には美しいものがたくさんある




僕は今まで色々見てきたつもりだ


これからも命ある限り、できるだけたくさんの美しいものを見たいと思ってるんだ





僕が君に見せてあげられるものは、全て見せてあげよう





だけど、この世界にはまだまだ美しいものがたくさんある




どれだけたくさんのものを見て、感動できるかは君しだいだ




さあ、まずは何をして遊ぼうか?




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